先日行った中沢新一氏の講演はとてもおもしろかった!
行って良かった〜♪
『
アースダイバー』はまだ読んでいなかったのだけれど、そんな私にもわかりやすい構成・内容だったし、眠たさなんて感じる暇は全くなかった。
ずっと脳が刺激されてました。
今度本も読んでみようっと。
『アースダイバー』を生み出すことになった背景が興味深い。
・現代の人間を見ていると、誤った方向へ進んでいるような気がしてならない。
何かを見直すために、自分たちのルーツを探りたいと思った。
江戸の視点で東京を見るのは一般的だが、それでは足らないと思った。
それでは浅すぎるのではないか、もっと時代を遡る必要があるのではないかと。
現代の人間は、もうそんなところまで進んでしまっていると感じている。
・東京の地形には謎が多い。
自転車で東京中を巡ったが、激しいアップダウンが多い。
そして高いところには裕福な住宅街が、低いところには下町の情緒溢れる民家が多かった。
土地の高低に、なぜか街の雰囲気が連動していた。
また海外を見ると、首都はだいたい平地に作られているのに、東京は起伏が激しい。それはなぜだろうか。
これらの疑問に、中沢氏はある日ふと縄文時代の世界が深く関係しているのではないかと思いついたそうです。
それが『アースダイバー』が生まれるきっかけとなったと。
うーん、おもしろい。
ちなみに、中沢氏はとても言葉を選んで、感覚を、気持ちを聴衆に伝えようとされていました。
だからあまり論理的でない書き方になっていると思いますが、言いたいことは伝わると思います。
あと、「ラブホテル説」もおもしろかった。
現在ラブホテルが並んでいるところは、昔は聖なる土地だったようで、聖地には必ず遊郭が存在しており、それが時代の変遷と共にラブホテルへの変わっていったのだとか。
「だから、これからラブホテル街を見るときは、聖なるものを見るような目で見ましょう」と中沢氏は冗談交じりにおっしゃってました(笑)
あとゴジラとモスラの映画を引き合いに出され、南の海と東京の関係についてもおもしろい分析をされていました。
ゴジラとモスラが、南の海で目覚め、「まるで何かに引き寄せられるように」東京に来たのは、とても深い意味があるではないか。
東京は壊れやすい街だということ、そして東京は南の海に対して何か受信機のような役割を果たしているのではないか、日本人は南の海に何か深い精神的なつながりを有しているのではないかと。
そう唱える論理的な根拠はないのだけれど、中沢氏はいろんなものからそう感じられるそうです。
また六本木ヒルズのような、「〜ヒルズ」とつくところに、本当にヒルズに作られたところはないともおっしゃっていました。
縄文時代に海に沈んでいたところを、ヒルズと名前を付けて“台地に変えようとしている”と。
だから、昨今の“ヒルズ族”が巻き起こす騒動は、感覚的に納得するところであるそうです。
これ以上土地の声を無視した都市開発は進めるべきではないし、またそれは同時に不可能だろうとも言われていました。
東京は、縄文時代の匂いが色濃く残っている場所であり、とても野性的な土地らしいです。
表面的にはとてもそうは見えないけれど。
もっと土地の声を感じて、土地と共に生きよう。
終始、そのメッセージが印象的でした。
今『大阪アースダイバー』に取り組まれているそうです。
あいりん地区が非常に興味深いとおっしゃっていました。
楽しみに待ちたいところです。